いらっしゃいませ!
サイボウズ商店店員の森です。
新緑が目に鮮やかな、気持ちの良い季節になりましたね。
2023年4月28日(金)より、サイボウズ式ブックスの三作目、
「山の上のパン屋に人が集まるわけ」が発売いたしました👏
今回はサイボウズ式ブックスから、この本の"編集者"である
「あかしゆか さん」のインタビュー記事をお届けします!
私は初のインタビューに終始ドキドキでしたが、
サイボウズ式ブックス × サイボウズ商店 だからこそ
出てくる話もありますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです😊
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サイボウズ式ブックス初!社外の著者を迎えた理由
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「山の上のパン屋に人が集まるわけ」の発売、おめでとうございます。
今日は本書について、また制作の裏話なども聞かせていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
まず、サイボウズ式ブックスについて教えていただけますでしょうか?
はい。サイボウズ式ブックスとは、「はたらくを、あたらしく。」をコンセプトにした、
サイボウズの出版レーベルです。2019年の創設以降、「チームワークあふれる社会を創る」
というサイボウズの企業理念や文化、価値観などを「本」という媒体を使って
世の中に広めてきました。
今回サイボウズ式ブックス出版三作目ですが、初の社外の著者
(パンと日用品の店「わざわざ」代表、平田はる香さん)を迎えられたのですよね。
理由を教えていただけますか?
一作目はサイボウズ副社長の山田理さん、二作目はサイボウズ人事の髙木一史さんの本を
つくってきました。
ですが私たちは、「『チームワークあふれる社会を創る』ための考え方であれば、
社内・社外といった線引きは必要ないな」と思っていました。
なので、三作目はぜひ社外の方の本をつくりたいと思っていて、その後
「ぜひ平田さんの本をつくらせてほしい」と平田さんにお願いをして、実現しました。
なるほど、そういう理由があったのですね。このあたりのお話は、サイボウズ式ブックスのnote
でもより詳しく紹介いただいていますね。あかしさんと平田さんとの出会いも興味深く拝見しました。
また、本を読んでいくと、サイボウズと平田さんの会社「わざわざ」との共通点が沢山ありますよね。
はい、似ている部分は多いと思います。
例えば「理想への共感」というところが挙げられるかと思います。
※サイボウズには「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念があり、
4つの文化も明言されています。そのうちの文化の1つが「理想への共感」です。
サイボウズでは、一人ひとりが行動を起こす時に
「その行動は、チームワークあふれる社会を創る(企業理念)ことにつながっているか?」
と問われる場面も多いですよね。
「わざわざ」も同じです。「人々が健康である社会へ」というビジョンに
つながっているかを重要視して行動を決めているそうです。
本書でも、業績も規模拡大も大変好調だった「わざわざ」で、
平田さんが文化や風土が醸成されぬまま、人に仕事を任せた結果、
初めて赤字につながったとありました。
また、その状況を打破するため、会社の理念をしっかり作り直して、
情報共有する仕組みをつくっていくことで、史上最高の売上や職場環境を
つくることができたという部分が印象的でした。
企業それぞれで言葉は違いますが、「企業理念」や「文化」をつくり、それを浸透させ、
「徹底的な情報共有」していくことの大切さを改めて感じるエピソードですよね。
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最初は「お金の本」になる予定だった?
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2年~2年半かけてつくりあげた大事な一冊とお伺いしました。
コロナ禍ということもあり、オンラインとオフラインを上手く混ぜて取材を進めていったのですよね。
取材時はあかしさんが中心となって、平田さんにお話を聞いていったのでしょうか?
自分だけではなく、ライターの土門蘭さん、協業をしているライツ社の編集者の方、
メンバー全員でしっかりとお話を聞いていきました。平田さんからは
「自分のどういうところがおもしろいかは人の方がよく分かるから、
どんな本にするかはおまかせします」と言われていたのです。
おお!それは編集者としては、責任重大ですね!
ですが、その分やりがいもあり、ワクワクするような制作過程だったかと思いますが…?
そうなんです。実は最初、平田さんのお金に対する価値観がおもしろいので、
「お金の本」になる予定でした。お金の使い方は、自分の生き方にもつながってきますよね。
なので、「お金から平田さんの生き方を紐解いていく本」が良いんじゃないかと思っていたのです。
ええ!そうなんですね。たしかに本作の中にも、平田さんのお金の価値観が際立つ部分がありますよね。
お金の角度からのアプローチだとまた違った本になっていたんでしょうね。
はい。ですが、取材を進めて原稿ができていくうちに、
「平田さんの生き方をまるっと中心においた本」の方がいいんじゃないかと
本の方向性を改めて考えだしたのです。方向性が定まるまでは、色々悩みました。
そこが楽しくもあり、大変でもあるところでした。
なるほど…。たしかに本書を読んで、平田さんが大変魅力的な方なので、
どこから紐解いていくのが良いのか、悩む気持ちは分かる気がします。
個人的にとても読みやすく感じましたし、メッセージもすっと心に入ってきました。
そして、読み終わる頃には、平田さんや「わざわざ」のファンになっていました…!笑
ありがとうございます!!
私も方向性を試行錯誤する中で、この本を誰に伝えたいんだろうと何度も考えました。
そして「自分の生き方に違和感があるけど、『世の中はこういうものだよね』と諦めている方に、
自分の気持ちに正直に生きられるようになってほしい」というコンセプトでいきたいと
改めて認識したんです。
それからは、方向性がぶれることなく、バチッと進むようになりました。
試行錯誤の中、ようやくコンセプトが固まった時はきっと嬉しかったですよね。
最後に、あかしさんは読者の方がこの本から、どういうことを得られるとお考えでしょうか?
はい。この本を通して、読んだ方の選択肢の幅が少し広がれば良いのかなと思っています。
「世の中の常識に従うしかないんだ」と思っている方、
違和感を抱えていても「自分にはここしかない」と思っている方、
そんな方々に「世の中の普通と違う形の『ふつう』もあるんだよ」と伝えたいです。
平田さんの場合、その形が「わざわざというお店をつくる」ということだったのですが、
例えば現在の労働環境が辛い人が、働きやすい会社に行くというのもひとつの形ですよね。
「自分の違和感に正直に生きながら、健やかに生きていく方法もあるのかもしれないな」
と思ってもらえると嬉しいです。
今の自分の生き方に違和感はないだろうか?世の中の普通に合わせないといけないのか?
そんな疑問を持った人は少なくないと思うので、ぜひ手にとっていただきたいですね。
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このコラムを読んでくださっているあなたに伝えたい!
編集後記
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あかしさんとのインタビューの中で、私自身も「世の中の普通」を息苦しく感じ、
サイボウズに転職してきたことを思い出しました。
「企業理念」はあるけれど、形骸化している会社で働いていたこともあります。
そこでは、上司の価値観に沿って、施策や会社での振る舞いの良し悪しが
決められていた気がします。
本来、チームで成果を出すためには、行動を起こすだけではなく
「なぜやるのか?」を全員が理解し、「共通の理想」を持って行動することが
大事ではないでしょうか。
自分ひとりで何かを大きく変えることは難しいですが、
例えば自分の所属するチーム内で、
改めて「共通の理想」「自分たちの大切にしたいこと」「なぜやるのか?」
などをみんなで話してみる機会を設けてみませんか?
様々な気付きが得られ、チームの結束も高まるかと思います。
チームで働く上でも、色々なことを柔軟に考える「ヒント」がつまっている本です。
ぜひ、このコラムを読んでくださったあなたに、お手にとっていただけると嬉しいです。
▼山の上のパン屋に人が集まるわけ
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!😊